
今年始めにホームページのリニューアルをお手伝いしたパンゲア(http://www.pangaean.org/)が今年も日韓同期イベントをやるというので先週土曜日、11月25日に行ってきた。
午後から物見遊山で行くかーと思っていたところ、タイムキーパーやってとパンゲアの人から言われ、打ち合わせだのあるので、なんだか朝から行くことになった。何だよ休みの日にめんどくせーなとヘタレな私は普通に思ったが、パンゲアの活動は続いて欲しいと思っているので怠惰な自分に負けずに行くことにした。
開催場所となった渋谷区の中学校は、ナチュラルウッドのフローリングに自然光が入るようになっていて、入り口のホールから見上げた階段は宝塚的(行ったことないけど。羽飾りをしょったスターが降りてくるイメージ)だった。
パンゲアというのは世界のこどもたちが、個人的なつながりを感じられるような遊びの場を提供しているNPOで、主に学校とかコミュニティーセンターなんかでこどもたちを集めてアクティビティーを企画・運営している。
現在アクティビティーを行っているのは日本では東京と京都、韓国のソウル、ケニアのナイロビとオーストリアのウィーン。
パンゲアのアクティビティーに参加する世界のこどもたちは皆、インターネット上のプライベートネットワークである「パンゲアネット」に家=「パンゲアハウス」を持っている。お家の外にはポストがあって、パンゲアネット上で絵文字=「ピクトン」によるメッセージ交換なんかができるようになっている。
たぶんloveを表現している右のピクトンは私のお気に入り(かわいい・はあと)。なおピクトンの著作権はNPOパンゲアに帰属します。ピクトンはこどもたちが自分で描いてつくることもできるので、どのピクトンが何を表現するかは世界共通ではなくて、住んでいる地域とかその子の感覚による。その点はことばと同じかも。
普段のアクティビティーは各サイトで独立してパンゲアハウスを描いたり、他の国の子が描いたハウスを見たり、お話してみたい子にメッセージを送ったり、受信したメッセージを読んで返事したりとかしている。
と書くと「えーこどもがネットサーフィンとかすると危なくないの?」のようなイメージを持つ人が多いようなのだが、実際のアクティビティーはもっとずっとアナログな感じで紙にペンやクレヨンでお絵かきしたり、大人のファシリテーターのお話を聞いたりしたり、おやつ食べたり遊んだりそんな感じでパソコン使うのは一部に過ぎず、しかも数台のパソコンをみんなでシェアするのでひとりの子がずっと自宅でゲームしてるみたいにパソコンとにらめこという環境ではない。
またパンゲアネットは一般のインターネットではないので、こどもにふさわしくないコンテンツが見えちゃうとか、こどもの個人情報がネット上で流出するとか、そういうのも無い。

東京とソウルだと経度が同じなため時差が無く、ウェブカメラとマイクロホンで2つのサイトをつないで、こどもたちが一緒に遊べて、これが「同期イベント」で毎年行っている。多分今年で3回目(だと思う)。私は初めて見に行った。次回は春にやるようなことを言ってたんで、少しづつ頻度を上げて行く予定かも。
こどもたちはウェブカメラで2つのサイトをつなぐ前にお互いにお互いの国の挨拶を練習したりするんだけど、東京のサイトで見てたらこどもは挨拶なんかすぐ覚えちゃって、こどもって本当に学習が早い。
それでウェブカメラでつないでゲームを始めるとお互いの国のことばで「私の名前は~」だとか、「こんにちは、(お名前)」だとかお互いに挨拶をしていて、スクリーンに映った韓国の子に自分の名前を呼んでもらって嬉しそうにしているこどもたちの様子は可愛くて見てるこっちまでハッピーになる。挨拶だけでも自分の国のことばで話してくれて、名前を呼んでくれるだけでこんなに距離が近くなるんだなーとご挨拶とお名前を呼ぶというシンプルなことばの力を感じた。
なおここでいうお名前は、「自分が呼んで欲しい名前」で、これもソウルの子と会う前に、こどもたちが各自、名札を日本語と韓国語で描いてある。これは私も何か行きがかり上描いた。
パンゲアスッタッフの「はなぷう」が「くまきのこ」を描いているのを見て負けられないと感じ、私も薔薇を描いた。好きな色の紙に、好きなようにペンとかクレヨンで描く。机の上には韓国語の「あいうえお」表があり、韓国語も日本語と同じようにphoneticであることを初めて知った。
みんなに韓国語を教えてくれた「りょんりょん」は、普段は京都大学で絵文字の分類の研究をしている人らしい。韓国人の留学生ということだったが、在日の人かと思うほど日本語が上手かった。「絵文字の分類が研究テーマならパンゲアはいいネタですね」と私がいうと、「一生かかって恩返しします!」とか言っていた。ノリのいい人。
また当日なぜかパンゲアのロゴの入った腕章をつけてカメラマンをされていた「いしださん」は普段は京都大学の先生らしく、こどもたちのイベントの後には韓国と多言語チャットの実験とかをやっていたらしい。むーそんなこと本当にできるのか。私は帰っちゃったから知らないんだけど。
こどもたちは、お互いに挨拶をして一緒に遊んだことがきっかけになって、その後パンゲアネットでメッセージを交換したりしているらしかった。「もう返事が来た」(←早っ)、「まだ来ない」(←もう少し待とう)とかそういうのがこどもたちの間での関心事に自然となっていた。
同期イベントの後でパンゲア理事長の森さんから聞いたところによると、こどもたちから回収した事前と事後のアンケートから、一緒に遊んだことでお互いの国や人について前向きになって好きになったという結果が出たんだって。
お互いの国の言葉で挨拶するとか、お名前を呼ぶとか、何でもないようなことなんだけど、でもひとりひとりの子にとっては意味のあるリアルなことで、こういう小さな、でもひとりひとりの心の中で意味を持つことをたくさん積み上げていけるといいな。

--------写真と画像について----------------------------------------
文中の写真と画像は私の名札を除き全てNPOパンゲアより提供していただきました。文章は東京の様子を書きましたが、写真はソウルのサイトで撮影したものです。こどもが絵を描いたりスクリーンの向こうにいる子に手を振る様子はソウルも東京もびっくりするほど同じだなと感じました。
なお、「くまきのこ」については当初文中で、「きのこのかぶりものをしたくま」と表現していたところ、作者の「はなぷう」より、あれは被り物ではなく、くまきのこ星の住人という設定がある、とゆうこりん的なご説明をいただきましたので訂正いたします。Whatever you say.