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2008年12月14日 (日)

任成第三十四

大道氾兮、其可左右。萬物恃之而生而不辭。功成不名有。愛養萬物而不爲主。常無欲、可名於小。萬物歸之而不爲主、可名爲大。是以聖人、終不自大、故能成其大。
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大道は氾(はん)として、それ左右すべし。万物これを恃(たの)みて生ずれども辞せず。功成りて名を有せず。万物を愛養(あいよう)すれども主とならず。常に無欲、小(しょう)と名づくべし。万物これに帰すれども主(しゅ)とならず、名づけて大となすべし。ここをもって聖人、ついに自(みずか)ら大とせず。故によくその大を成(な)す。
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道はなぜ永遠に存在するのか。永遠に存在するものの要点を教えてくれている。不朽ということ。滅びない。生まれてきたことへの感謝、お返しは、誰かの心の中に生き続けること。そういうものは、全てのことをやっていながら主張しない。道の生き方を自分の生き方にするのが、本当の生き方。

道は、誰がやっているか分からないから小さな存在とも言えるけど、全部道から生まれるから本当は大きな存在。

自分のやっていることに面白さ、喜びを感じているかどうか。やった後の結果は出がらしの茶みたいなもの。結果として賞をとったとか評価されたとか、そういうことではなく、自分の満足を主眼として生きる。

黙々と何かをやるのが一番いい。作ること、何かすることの喜びが大切。どう評価されるのかとか、結論を要求しながらやるのは中途半端。他人の評価を気にするのではなく、自分が楽しむ。

▼ この世に存在することを楽しむ。何かを生み出す、つくりだすのが人間の本質では。

▼ 道徳は、「モラル」だけでは50%。ダイナミックな創造活動の意味もある。なぜモラルのような秩序が必要かというと、それは創造のため。地球は創造にあふれている。動態的で精力的なものがクリエイティビティで、道徳に合っている。創造的に、工夫して、面白く仕事をすることが重要。

辯徳第三十三

知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。不失其所者久。死而不亡者壽。
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人を知る者は智(ち)、自(みずか)ら知る者は明(めい)なり。人に勝つ者は力あり、自(みずか)ら勝つ者は強(つよ)し。足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志あり。その所を失わざる者は久し。死して亡びざる者は寿(いのちなが)し。
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全て人間にとって重要なこと、全ての根源は己の中にあるのに、人はそれに気づかずに外に回答を求めて迷って悩む。外に求めるのは止めて、自分の内側を見ると答えがある。本当は自分の心の中に全部答えはあるのに迷って悩む。

「人間はこういうもの」と他人を観察して知るのも悪くないけど、意味は無い。そんなことをしても、自分の思い通りに他人を動かせるのではない。他人をコントロールできないということを本当に知るには、自分を見る。どうして自分は他人の言いなりにはならないのかを突き詰めると、どうすれば人が動くか見えてくる。

人を動かす秘訣は自分を見ること。自分を見ると本質が分かる。人ばっか見てても分からない。内省や自省をする。うんとやった方がいい。

昔「経営の神様」とか言われる人が、人の採用基準として、「その人は夜逃げの経験があるか」、「監獄に入ったことはあるか」、「長い病気で入院生活はあるか」という問いにYesなら採用、と言った。理由は、そのような経験をした人は自分しか見るものが無い時間を過ごしているから。吉田松陰とか。人を信頼するときにはこの3つを基準に。

人に勝つ人より自分に勝つ人が強い。自分がいちばんやっかい。

欲望とか本能を抑えて、今あるものに感謝できる人は自分という猛獣使い。「足るを知る者は富む」。不平不満がある人は、まだ自分が抑えこめていない。

自分を見つめることを失わない人は長く安泰。肉体は死んでも存在は死なない。死して朽ちず。克己。自分が見えないと他人は見えない。

人は道(根源的なエネルギー)につながっている。みんな道から生まれてきた。自分を見つめることは、永遠の生命に帰ること。あまり外へ外へ行かない。自分の評判、どう思われているかにエネルギーを使っても、何のために生きているのか分からない。自分を楽しむ。

2008年12月 7日 (日)

聖徳第三十二

道常無名樸。雖小、天下不敢臣。侯王若能守之、萬物將自賓。天地相合、以降甘露、民莫之令而自均。始制有名。名亦既有、夫亦將知止。知止所以不殆。譬道之在天下、猶川谷之與江海。
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道は常に無名の樸(ぼく)なり。小なりといえども、天下あえて臣(しん)とせず。侯王もしよくこれを守れば、万物まさにおのずから賓(ひん)せんとす。天地は相合して、もって甘露(かんろ)を降(くだ)し、民はこれに令することなくしておのずから均(ひと)し。始めて制して名あり。名もまたすでにあれば、それまたまさに止(いた)るところを知らんとす。止(いた)るところを知るは殆(とど)まらざるゆえんなり。譬(たと)えば道の天下に在(あ)るは、なお川谷(せんこく)の江海(こうかい)に与(くみ)するがごとし。
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無名というのは重要なこと。名前があることは理屈、論理があること。それを否定するのが無名。混沌は無限だから。

名前を持つと限定される。有名な人は、会ったこともない他人から「こういう人でしょ」と限定される。無名なら何をしてもいい。すごく可能性がある。有名になることは限定されること。なんで有名になりたいのか。

混沌の凄さ。論理的で整然としていると魅力にとぼしい。

謙虚、世俗的な欲望を持たない、命も地位も金もいらない人間は使いようが無い。ぼくとつな人間はこだわり、飾りが無いから扱いようが無い。欲のある人間からするといかんともしがたい人間。王様がぼくとつとしていれば天下無敵。

今は無名な人にかける時代。アメリカ大統領選とか。ひょっとするとすごい人かも、と思うと部下にしようとは思わない。すごいポジションにいながらそぼくなら凄いこと。理論整然には限界がある。「なんだか分かんない」のはすごい人。未完の大器。

荒木のままだったらどうなるか分からないけど、何かになっちゃったら、それはそれ。コップはコップ。いつも余力を持って何になるか分からずに生きているのは凄いこと。

名前を持つものの限界は覚悟せざるを得ない。名前があれば危うさは無い。

▼ 万物が帰り行くのは道。それを前提にするのが重要。見えない、聞こえない、触れないのが道。見える、聞こえる、触れるものは道から遠い。

▼ 人は出生と入滅によって無の世界と有の世界を出入りしている。無の世界が見える人間=玄人にならないと。無の世界くらい面白いものはない。

▼ 自分に束縛されている人が多い。他人に束縛されるより気づきにくい。

偃武第三十一

夫佳兵者不祥之器、物或惡之。故有道者不處。君子居則貴左、用兵則貴右。兵者不祥之器、非君子之器、不得已而用之、恬惔爲上。勝而不美。而美之者、是樂殺人。夫樂殺人者、則不可以得志於天下矣。吉事尚左、凶事尚右。偏將軍居左、上將軍居右。言以喪禮處之。殺人之衆、以悲哀泣之、戰勝以喪禮處之。
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それ佳兵(かへい)は不祥の器。物これを悪(にく)むことあり。故(ゆえ)に有道の者(もの)は処(お)らず。君子(くんし)居(お)ればすなわち左(ひだり)を貴び、兵を用(もち)うればすなわち右(みぎ)を貴ぶ。兵は不祥の器にして、君子(くんし)の器にあらず。已(や)むを得ずしてこれを用(もち)うれば、恬惔(てんたん)を上となす。勝ちて美とせず。而(しか)るにこれを美とする者(もの)は、これ人(ひと)を殺(ころ)すを楽(たの)しむなり。それ人(ひと)を殺(ころ)すを楽(たの)しむ者(もの)は、すなわちもって志を天下(てんか)に得べからず。吉事(きつじ)には左を尚(たっと)び、凶事には右を尚ぶ。偏(へん)将軍(しょうぐん)は左に居り、上(じょう)将軍(しょうぐん)は右に居(お)る。喪礼(そうれい)をもってこれに処(お)るを言(い)う。人(ひと)を殺(ころ)すことの衆(おお)ければ、悲哀(ひあい)をもってこれを泣(な)き、戦(たたか)い勝ちて喪礼をもってこれに処(お)る。
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老子と戦争は対極でなじまない。でも老子の思想は550年続く春秋戦国時代のさ中に生まれた。五経とかも同じ。それをまず理解した方がいい。

戦争があると、人生計画とかあっても全部ずたずたになる。戦争はなぜ生まれるかといういと、文明から起こる。文明は便利になること。田舎は不便。便利になると技術が生まれる。そうすると持っている人と持っていない人の区分を生んで闘争、戦争になる。文明は戦争の危険をはらんでいる。文明の恩恵を受けて戦争を否定するのは矛盾。

優秀は兵隊は不吉。万物はこれを憎む。道を愛する者は軍とかに近寄らない。弓を引くときは右だから、「兵を用(もち)うればすなわち右(みぎ)を貴ぶ」。お祝い事は左を尊ぶ。凶事は右が社会的慣例。軍は不吉だから、軍隊の並び方は葬式の並び方と同じ。

やむを得ず戦うときもあっさりと。あんまり凝らない。勝利の美酒に酔うなんてとんでもない。戦争の勇者は人を殺した自覚をなくしやすい。人を犠牲にする方向は志とは逆。戦争に勝っても泣かないといけない。勝っても葬式のように。

▼ いいものはオープンにする発想にならないと。LINAXとか。

▼ アーノルド・ミンデルは老子の論法を活用してアイルランド紛争を解決した。対立を超えるには戦わない。相手を認める。欲とかあると相手を忘れるが、そうすると永遠に対立する。人間の持ちうる最後の方法論は「対話」。一緒に食事をするってすごい力。万物斉同。

▼ 腕ずく最たるものが軍隊。だからそういう発想を持たない。

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